この度の台風で被災された方々には心よりお見舞い申し上げ、1日も早い復興をご祈念申し上げます。
西日本を中心に各地で大きな被害をもたらした台風21号ですが、当神社では枝や葉などの落下物以外に大きな被害はありませんでした。
平安時代、清少納言は枕草子の中で「野分(のわき)のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ」[台風の翌日は、大変しみじみとした趣がある]と、折れた枝が植え込みに引っかかる様子や格子の僅かな隙間から葉が吹き込む奇妙さを書き連ねました。
また、鎌倉時代の兼好法師も「野分の旦(あした)こそをかしけれ」[台風の翌朝は趣がある]と枕草子を踏まえた上で徒然草に書き残しています。
一夜にして人間の及ばない大きな力を発揮し、翌日には何事もなかったかのように過ぎ去る自然の猛威の痕跡に、畏怖とも感嘆ともつかないしみじみとした気持ちを抱くのは、昔も今も変わらないのかもしれません。