本日は立春、暦の上で季節は春となり、日差しの暖かさに少しずつ春を感じられるようになりました。立春の前日、二月三日は季節の分かれ目、節分です。昨日は全国で様々な節分の催しがありましたが、前鳥神社でも節分祭追儺神事と豆撒き行事が賑やかに斎行されました。
斎主祝詞奏上
約百名の年男・年女の方々が裃を着けて参列されました。
四方天地に向けて矢を射る所作をし邪気を祓う「弓箭の祝言(ゆみやのいわいごと)」
拝殿にて弓矢を受けた氏子総代が境内に出て矢を放つ「弓矢の行事」
危険のないよう氏子役員の人払いのもと、北東の鬼門・南西の裏鬼門に向けて破魔矢を射掛けます。落ちた破魔矢は縁起物として競って拾われます。
「弓箭の祝言」「弓矢の行事」は節分祭のみで行われる神事で、用いる弓は境内の桃の木から採った枝で毎年新調されます。これは桃が魔除けの力を持つとする故事に因んでいます。
式典が終わると境内での豆撒きに移ります。
年男・年女の方々が境内に設けられた櫓から豆を撒き始めると、集まった大勢の人が我先にと手を伸ばします。当日の警備にあたって下さった平塚警察署の発表によれば七百人余りの人が集まったということです。
また、人だかりで危険のないように「お年寄り・子どもコーナー」も設けられ、そちらでは豆が手渡しされました。
前鳥神社の豆撒きは、撒かれる袋に煎り豆と景品引換券が入っています。お醤油やお砂糖、家電や自転車などハズレなしの景品を手に、豆撒きを終えた人々は嬉しそうに帰っていきました。
昨日は年男・年女の方々が裃の着付けをする和室の床の間に、田中真洲先生ご奉納の自筆書「節分」を掛けました。「遠仁者疏道 不苦者迂智」とあり、「おにはそと ふくはうち」と読めます。また、「仁に遠き者は道に疏(うと)く、苦しまざる者は智に迂(うと)し」という意味にもなるそうです。
多くの氏子役員、また景品ご奉納者の皆様のご協力により、節分祭を無事盛大に終えることができました。