本日は社報『前鳥』第83号に掲載いたしました算術問題の正解を発表します。
社報をご覧になっていない方のために問題文を再掲いたしますので、ぜひ挑戦してみてください。
明治二十五年六月出版の上野清 著『訂正算術三千題 第二冊』より
(問)鶴亀若干頭の足数合せて百二十本あり。而して全頭数の一倍と七分の一を鶴に加ふれば各足数相等しくなるべしと云う。各何頭なりや。
(訳)鶴と亀が何頭かいます。これらの足の数を合わせると120本になります。❶
また、鶴と亀を合わせた全頭数の1と1/7倍の数を鶴の頭数に加えて鶴を増やすと、鶴と亀の足数が等しくなります。❷
❶と❷の条件を満たす時、鶴と亀はそれぞれ何頭でしょうか。
これは中学校で習う連立方程式の代入を用いて解くことができます。❶と❷の文から二つの式を作ります。
❶鶴の数=X、亀の数=Y とする。
鶴の足は2本、亀の足は4本である。
鶴と亀の足の合計は120本なので、
2X+4Y=120となる。
両辺を2で割り
X+2Y=60…①
これだけでは答えが求められないので、❷の文からもう一つの式を作ります。
❷鶴と亀を合わせた全頭数(X+Y)を1と1/7倍(=8/7倍)した数をAとする。
A=8/7(X+Y) …②
このAを鶴の頭数(X)に加えて増えた鶴(X+A)の足数{2(X+A)}が亀の足数(4Y)と等しくなる。(※ここでの足数は❶の120本とは関係ありません。)
つまり
2(X+A)=4Y 両辺を2で割り
X+A=2Y ここに②を代入する
X+8/7(X+Y)=2Y
両辺に7を掛けて分数をなくします
7X+8X+8Y=14Y
15X=6Y 両辺を3で割り
5X=2Y…③
ここから❶と❷で作成した式を合わせて一つの答えを導きます。
①に③を代入すると
X+5X=60
6X=60 両辺を6で割り
X=10…④
①に④を代入すると
10+2Y=60
2Y=50
Y=25
X=10,Y=25であるので
答えは鶴10羽、亀25匹。
さて、皆さまは解けましたでしょうか?問題文の古風で言葉足らずな言い回しに苦労されたのではないでしょうか。
2月はまさに受験シーズンの真っ只中です。多くの学生さんが数学の難問に挑んでいることでしょう。社会人の皆さまも、数学の問題を解いて受験期の気持ちを思い出しながら、頭の体操をしてみてはいかがでしょうか。
学ぶ人、応援します 前鳥神社